D.C.Ⅱ SS 試験対策SS（真似しないよーに）
「あ、義之くんだ。やほー」
「よ、茜も買い物か？」
「うん、テスト近いしね。勉強道具とかを」
放課後、購買に買い物をしに来たら茜と鉢合わせた。
「夏休み明けにいきなりテストなんてきついよね」
「まぁな。でもどこの学校でもそんな感じらしいぞ」
同じような年齢が運営しているブログとかを見ると、新学期の始まりは
まちまちだが、どこも実力テストだの模試だの大変らしい。
それはうちの学園も例外ではなかった。
と、茜の買い物カゴの中を見てみると
「なんだ茜、そんなに消しゴム買い込んで」
「え？何って、カンペ用だよ」
あっさり言ってのける茜、その表情にはいっぺんの迷いもない。
「いや、そんな堂々とされてもな」
「だって、この前まで夏休みだったんだよ。それなのに、いきなりテストなんて出来るわけないじゃない」
ぷぅと頬を膨らませる茜。気持ちは分からなくないのだが。
「杏ちゃんならともかく、私はちょっと出来の悪い子だからこういうことしないと生きて行けないの」
「自信満々に言うなよ」
俺もカンニングをしたことがない訳じゃないので、強くは言えないのだが。
「義之くんはやったことない？消しゴムの厚紙とビニールの中に解答を仕込むの」
「いや、俺の場合はそういうやり方じゃなかったが」
学園内でカンニングの話をするのもどうかと思うが、幸い周りには誰もいない。
「ここに仕込んでおくとね、先生が通りかかった時でも裏返すだけで良いんだよ」
「なるほどね」
消しゴムの広い面に何かを入れておけばいいってことか。
遠目からじゃ絶対に気付かれないよな、それ。
「消しゴムに仕込むと、机の上に置いておいても凄く自然でしょ」
「バレにくいって訳ね、考えたな」
「私も受け売りなんだけどね」
ぺろりと舌を出して笑う茜。やはり悪気はこれっぽちも見られない。
「でも、消しゴムもいっぱい持ってたら不自然じゃないか？」
いくら気付かれにくいとはいえ、4つも5つも机に出しておいたら怪しまれるだろう。
「その辺はうまく誤魔化す程度にね、2個までが限度かな」
「それじゃたいした点は取れないだろうに」
「いいの、別に満点取るためにやるんじゃないもの。赤点取らなければいいんだから」
「そりゃそうだ」
まぁ、そういうスリルを楽しむのも学生の醍醐味だよな、きっと。
カンニングも最低限の保障程度なのだろう。
「じゃぁ、私は準備があるから先に行くね」
「おう、また明日な」
なんの準備かは言わずもがな、だろう。
レジに向かう茜と別れる。
さて、俺も買い物買い物っと。
ふと、どうしてもその消しゴムに目が行く。
お、俺も消しゴム買っとこうかなぁ～。
カゴに2つほど大き目の消しゴムを入れておいた。
～あとがき～
カンニングはしちゃいけません（←ここ重要）
高校生以下はリスクが大きいのでやめた方が懸命です。
親に通報されかねないですからね。
大学生だと単位をもらえない程度の措置でしょう。
でも、当年度の単位すべて没収の可能性もなくはないのでほどほどにしましょうね。
こんなSSを書いておいてアレですが。
カンペは作ってる過程が勉強と同じだから、あまり意味はないものなのですよ。
2006.09.07