D.C.Ⅱ SS クリスマスっぽいの Vol.1.5
「弟くん、今年もクリスマスパーティやるんだけど、来るでしょ？」
夕飯の準備をしている音姉に掛けられた言葉は俺が怯むのに十分だった。
クリスマスまでまだ2週間あるぞ、音姉。
しかし言い出しにくかったことを切り出すチャンスが訪れた。
「あ、あのさ。音姉？」
「ん？どうしたの？」
「その……実は」
「いけません」
ピシャリ言い切られた。ちなみに俺、正座。
「今年は弟くんが向こうで暮らし始めたから、お姉ちゃんは絶対に
一緒にクリスマスパーティをしたかったの！」
いつものように人差し指を立てて熱弁する音姉。
茜、やっぱ俺愛されてるわ。
そんなこんなの押し問答があって、打ち出された妥協案。
「ということで週が明けたわ」
「早速だな」
俺が教室に入るなり、先に来ていた杏が話しかけてくる。
「で？朝倉シスターズが参加して芳野先生の家、と」
「あぁ音姉と由夢もいっしょ……って、はい？」
俺が答える前に結論をすらすらと口にする杏。
「きっとそうなるんじゃないかと思ってたわ」
「さいですか」
杏は唇の端を少し持ち上げて小さく笑った。
まぁ俺自身もなんとなくこうなる事は予想していたさ。
結局、音姉だけでなく由夢も加わることになり、時間があればさくらさんも。
かなり大所帯でのパーティになる予定だ。
「しかし女の子ばっかりってのもなぁ。杉並と渉も呼んでいいか？」
いくら自宅だといえ、相手が女の子だけというのは抵抗がある。
朝倉姉妹だけでも手を焼いていると言うのに。
「杉並は用事があって出られないそうよ。渉は戯矢利尊先生の補習」
「ってことは……じゃ、じゃあ」
「義之、他に男友達いないでしょ？」
「うぐ」
確かに杉並や渉とバカやってることが多かったから、他の男子連中とは
仲は悪くないものの、家に呼べるほどの人間はいなかった。
うーん、それはそれで問題だな、俺。
～あとがき～
ってことで芳野家でパーティが開催される方向になりました。
大所帯になるから長いSSになるかもよ、これ。
まぁクリスマスまで時間あるしな、余裕もって書こう。
2006.12.11