D.C.Ⅱ SS クリスマスっぽいの Vol.3
横長のこたつに座るのは6人。
順当に行けば3人と3人で別れて向かい合わせに座ることになる。
しかしここで問題が発生する。
誰が義之の隣に座るのか。
である。
当の義之はその辺のことに気付くはずもない。
たまたま真ん中の席に座ったのは幸いとしか言いようがなかった。
家主というか、場所提供者である立場がそうさせたのだろうか。
その両脇を固めるのはいったい誰になるのか？
● ● ●
－－－－－
｜ ｜
－－－－－
● 義 ●
キッチンでは女の子たちが色々と揉めていた。
もちろん、その座席を決めているのである。
「別に私は隣じゃなくてもいいわ。茜も私の隣でいいでしょ」
最初に抜け出したのは杏。そういって杏は義之の向かいを指定した。
あながち悪い席でもないのが引っかかるところである。
義之の隣を狙っていた他の連中は驚いたが、中立的な位置を
先に取られたことで隣以外が逆に不利な座席になってしまった。
みんなの第2志望を第1志望に即座に切り替えた杏の作戦勝ちである。
● 杏 ●
－－－－－
｜ ｜
－－－－－
● 義 ●
「そだね、杏ちゃんの隣でいいよ」
そういって杏の隣を選ぶ茜。
杏も茜もどちらかというと小恋推しである。
しかし、杏が義之の正面を陣取った時点で、小恋の退路が
絶たれてしまっていることも付け加えておく。
● 杏 茜
－－－－－
｜ ｜
－－－－－
● 義 ●
さて、そんな経緯から義之の隣2席に対して3人という
絶好のチャンスが訪れた。
「ここは一つ、雪月花の皆さんで座ったらどうでしょうか？」
由夢、牽制。
「そうね、私と由夢ちゃんが弟くんの隣に座るから」
音姫、便乗。
「あ、私は小恋ちゃんと向かい合わせがいいなぁ」
茜、小恋に助太刀。
「お話しするんでしたら隣同士で座るのはどうですか？」
由夢、反論。
「でもぉ、隣は杏ちゃんだし。ね？」
茜、食い下がる。
「じゃぁ、雪村さんに一つずれてもらえばいいよね」
音姫、フォロー。
「私小さいからここの位置じゃないと食べたい料理が取れないし」
杏、抗えない理由を基に反論。
「なら、私が取ってあげますから」
由夢、売り言葉に買い言葉。
「じゃぁ由夢さんは私の隣」
杏、チャンスを見逃さず追い討ち。
「それで決まりかな？」
音姫、裏切り。
「却下です」
由夢、一刀両断。
「え、えっと……」
小恋、おろおろ。
ばちばちばち。
見えない火花が出血大サービス。歳末バーゲンも真っ青である。
ここで負けたら、ただの一敗以上の敗北感を味わうことは間違いない。
負けられない。
さて、隣に座る2名は誰だ！
～あとがき～
今回もこんな展開です。いつもと視点違うよ、これ。
ということで
１．音姫＆由夢
２．音姫＆小恋
３．由夢＆小恋
いい具合に3択になってますね（笑）
クリスマスなお話の結果は25日に掲載します。
前回のお話を読んで、少しでも悩んでいただけたら
俺の仕掛けた罠に引っかかってくれたみたいで嬉しいぜ。
なお、ここで1番の人気が高いとシナリオが変わる（汗）
2006.12.22