秋山文緒台詞集・その他
オーガスティックエトセトラコミケ65Ver.・小噺4
3時間目の始業を告げるチャイムが鳴った。
にもかかわらず、喧騒は収まる様子を見せない。
【文緒】「というわけで、この時間は自習です」
【文緒】「課題のプリントは、最後に回収しますので……」
教壇に立った委員長が、ほとんど聞く気のないクラスメートに告げる。
【文緒】「……ふぅ」
一つ嘆息して、委員長はプリントを配り始めた。
〜中略〜
落下地点には、真面目に課題をこなしている委員長の姿があった。
【文緒】「あたっ」
委員長は床に落ちた紙飛行機を拾うと、迷うことなく俺たちを睨んだ。
【美琴】「こ、こんにちは」
【弘司】「およそ最悪のケースだね」
【直樹】「まったく美琴は」
【美琴】「私の責任っ！？」
友情にヒビが入ったところで、引きつった表情の委員長が近づいてきた。
両手を広げてにこやかに出迎えてみる。
【直樹】「ハ、ハ〜イ、フミオ。どうだい僕の紙飛行機は？」
【文緒】「どうもこうもないわよ、勉強している人の邪魔になるでしょ？」
【直樹】「すいません」
【弘司】「ごめん」
【文緒】「でも、どうして今更紙飛行機？」
【美琴】「わたしが作ったこと無いって言ったから……」
【直樹】「前に住んでた国には無かったんだってさ」
【文緒】「じゃあ、他の折り紙も無かったの？鶴とかカブトとか」
と、ノートから正方形を切り取って鶴を折り始める。
【文緒】「じゃ、あんまり迷惑にならないようにね」
【直樹】「はーい」
【直樹】「最後に広げて出来上がりだ……ほれ」
〜中略〜
【文緒】「時間になりましたので、プリントを持ってきてください」
委員長の声が冷たく響いた。
落ち着いた表情でプリントを提出する保奈美と弘司。
【直樹】「頼む委員長、あと5分待ってくれ」
【直樹】「それから職員室に持って行っても遅くないだろ」
【文緒】「そうしてあげたいのは山々なんだけどね」
委員長が視線を入り口のドアに送る。
ガララッ
【深野】「秋山、プリントは集め終わったか？」
【文緒】「あ、はい」
委員長が同情の笑みを浮かべる。
【文緒】「ごめんね」
【美琴】「あーあーあーあー、秋山さんストップ、ストップ」
【美琴】「終わりました」